超音波(エコー)検査でわかること
超音波(エコー)検査とは
超音波とは、一般的に20kHz以上の「人の耳には聞くことのできない高い音」のことをいいます。
超音波検査とは、超音波を使って体内の臓器の状態を画像化する検査です。
単子(プローブ)で超音波を体に当て反射して戻ってきた超音波を解析・画像化することで、心臓や腹部の臓器、血管などの評価をします。
エコー検査の特徴
~長所~
- ①非侵襲的
- 体外から超音波を用いる検査のため,体に針を刺したり傷つけることはありません。
- ②安全性が高い
- 放射線を使用しないため被曝の心配がありません。妊娠中の方や小さなお子さんでも安心して受けられます。
通常のエコー検査では造影剤を使用しないため、アレルギー反応のリスクも無いです。 - ③検査の範囲が広い
- 心臓・肝臓・膵臓・腎臓などの臓器の他、頚動脈・上下肢動静脈等の血管エコーも見ることができます。
他の検査では判断が難しい表在病変も観察が可能です。
また、装置を色々な方向から体に当てることで、立体的に病変部を把握する事ができます。 - ④検査する場所を選ばない
- エコー装置さえあれば、検査室だけではなく病室・救急処置室・屋外などどこでも検査できます。
- ④リアルタイム
- 検査中にその場で画像が確認できるため、迅速な診断が可能です。
心臓の動きや血流の流れを観察できるなど、実際に臓器が動いている様子がわかります。 - ⑤繰り返し検査が可能
- 放射線を使わないため何度でも安心して検査を受けられます。
~短所~
- ①骨や空気の存在に弱い
- 骨や腸管のガスが超音波を遮るため、これらの後ろにある臓器の観察が困難になることがあります。
肥満やガスの多い方は、画像が見えにくくなることがあります。 - ②深部臓器の観察が難しい
- 骨や腸管のガスが超音波を遮るため、これらの後ろにある臓器の観察が困難になることがあります。
超音波の性質上、体内の深い所にある臓器の観察が難しい。 - ③一時的な不快感
- 検査中にゼリーを塗ってプローブを押し当てることで、一時的な不快感や圧迫感を感じることがあります。
また、臓器の観察をしやすくするために深呼吸や息を止めるので苦しく感じることがあります。
腹部エコー検査前の準備
- 食事制限
- 検査前に食事を控える必要があります。食事をすると胆嚢が収縮し、内部の観察が難しくなるためです。
- 排尿制限
- 査前のお手洗いは可能であれば我慢してください。
膀胱、前立腺、子宮などは尿が溜まっていたほうがよく観察できます。
エコー検査で分かる疾患
検査 | 部位 | 疾患 | 心エコー | 心臓 | 心弁膜症、心肥大、心臓内血栓、心膜炎、心筋梗塞 等 |
---|---|---|
腹部エコー | 肝臓 | 脂肪肝、肝嚢胞、肝血管腫、肝炎、肝硬変、肝がん、転移性肝がん 等 |
胆嚢・胆管 | 胆石、総胆管結石、胆嚢ポリープ、胆嚢炎、胆嚢がん、胆管がん 等 | |
腎臓・尿管 | 腎結石、尿管結石、腎嚢胞、水腎症、腎臓がん、尿管がん 等 | |
脾臓 | 脾腫、脾嚢胞、転移性脾腫瘍 等 | |
膵臓 | 膵炎、膵嚢胞、膵がん 等 | |
消化管 | 胃・十二指腸潰瘍、腸閉塞、腸炎、虫垂炎、胃がん、大腸がん 等 | |
膀胱 | 膀胱炎、膀胱結石、膀胱がん 等 | |
子宮・卵巣 | 子宮筋腫、子宮がん、卵巣嚢腫、卵巣がん 等 | |
前立腺 | 前立腺肥大、前立腺がん 等 | |
腹部大動脈 | 大動脈血栓症、腹部大動脈瘤、大動脈解離 等 | |
血管エコー | 血管 | 動脈硬化症、静脈瘤、静脈血栓症 等 |
表在エコー | 乳腺 | 腫瘤(良性・悪性)、のう胞、乳腺症、浸潤性乳がん 等 |
甲状腺 | 甲状腺がん、のう胞、バセドウ病、橋本病、甲状腺腫 等 |
検査時間と保険点数
検査 | 検査時間 (分) | 保険点数 (点) |
---|---|---|
心エコー | 15~20 | 880 |
腹部エコー | 15 | 530 |
頚動脈・四肢血管エコー | 15~30 | 350・450 |
※検査時間には個人差があります
エコー検査は安心して受けられる検査です。
発見の為に、定期的に検査されることをお勧めします。
発見の為に、定期的に検査されることをお勧めします。